日本臨床獣医フォーラム(2)犬の問題行動③

日本臨床獣医フォーラム(2)犬の問題行動②の続きです。

ここでは「体を触られるのを嫌がる犬」について紹介します。

 

5ヶ月の柴犬です(写真はイメージです)。

このワンちゃんは体を触られたり抱っこされることを嫌がります。

唸ったり、噛んだり、暴れたりします。

まだ子犬なので飼い主さんが怪我をすることはないそうですがこのまま大きくなったら大変なことになると思い相談されたそうです。

飼い主さんは今まで強くしかったり、犬に嫌なことを経験させたことはないそうです。家に来た時から嫌がる傾向があったそうです。

矢崎さんの話では、生まれつき触られることが嫌いな子がいるそうです。このワンちゃんもそうだろうということでした。

解決策として体を触らせる練習を始めました。

まずは手でおやつを持ち、犬が食べている間に体を触ります。

始めは背中など比較的嫌じゃない場所から触るようにし、犬の様子を見ながら少しずつ触る範囲を広げていきます。

急がずに、犬が嫌がる行動をとる前にやめるようにします。

これができるようになったら、触った後におやつをあげるようにします。触り方は同じです。

この練習はお散歩の後や遊んだ後に行うようにします。また練習の後はおもちゃで遊んであげます。

ブラッシングや足ふきの練習も同じ要領で行います。

 

このワンちゃんは1年半トレーナーさんに付いてトレーニングをしたそうです。

後半は別のトレーニングをしてたそうですが、どこでも触れるようになったそうです。

 

ーーー講義内容はここまでーーー

 

上記の方法は「拮抗条件付け」という方法で、犬の問題行動の解決策としてよく使われます。

「拮抗条件付け」は簡単にいうと嫌なことをいいことに変えていくことです。

この場合「体を触られる→嫌だ」という気持ちを「体を触られる→おやつがもらえる→嬉しい」という気持ちに変えていきます。

「嫌だ」という気持ちが「嬉しい」よりも強いとこの方法は使えません。

「嫌だ」の気持ちが強くなり過ぎないように、触る場所や触っている時間を調整していく必要があります。

この加減が一番難しいところだと思います。

実は前述のお散歩中の吠えの問題もこの拮抗条件付けを使っています。

「人・自転車と遭遇→怖い」という気持ちを「人・自転車と遭遇→おやつがもらえる→嬉しい」に変えることを行っています。

 

このワンちゃんもそうですが、柴犬は体を触られるのが嫌な子が多いです。

柴犬(日本犬)特有の性質なのかも知れません。

もし本件のような傾向が見られる場合は、犬の専門家に相談することをお勧めします。