「ワクチン抗体価検査①」の続きです。
ワクチン抗体価検査を受けてから約2週間後、動物病院から検査結果の連絡が来ました。
電話口で大まかな結果を聞き、後日病院に詳細を聞きに行きました。
病院に行くと3枚の「検査結果報告書」が渡されました。
1枚の報告書に2種類のワクチンの結果が記載されています。
結果は「何倍」という数値で示され、以下の判定基準のいずれかに該当するようになっています。
<ワクチン効果・感染判定基準>
A:高抗体価
B:長期の防御能を期待するには、もう少し高い抗体価が必要
C:低抗体価
うちの犬の結果です。
- 犬ジステンパー:512倍(B)
- 犬伝染性肝炎:730倍(A)
- 犬アデノウィルス2型感染症:12倍(B)
- 犬パラインフルエンザ:3倍(B)
- 犬パルボウィルス感染症:1024倍(A)
- 犬コロナウィルス感染症:3倍(B)
判定がAであれば十分に抗体が残っているのでワクチンを打つ必要はないという判断になります。
5年以上抗体がもつ子もいるそうですが、うちの子はもちにくい体質のようで、6種類中4種類がB判定でした。
結局ワクチン接種をした方がいいということで6種の混合ワクチンを打ちました。
ワクチン代は8,200円、検査代と合わせると29,600円。
あとこれに2回分の診察代をプラスした金額がかかりました。
家に帰って検査結果を詳しく見てみると「犬伝染性肝炎」の結果に怖いことが書いてありました。
「この抗体価では、感染の疑い充分です。」
基準値が3倍(3倍未満だと低抗体価)のワクチンなので730倍はかなり高い数値です。
この病気の主な症状(嘔吐、発熱、下痢など)は現れていないので感染してる訳ではないと思うのですが、こんなに高い数値なのに追加接種して大丈夫なのか非常に不安になりました。
必要なワクチンだけ選んで接種できればいいのですが、混合ワクチンは以下の組み合わせしかありません。
単体接種できるワクチンもあるようなのですが、全種類揃っているのかは不明です。
単体接種できたとしてもかなり割高になるでしょう。
世界的なワクチネーションガイドラインに以下のような記述があります。
「犬では多くの場合、CDV、CPV-2、CAV-1、CAV-2に対する防御抗体が3年以上維持することが知られている。」
- CDV:犬ジステンパーウィルス
- CPV-2:犬パルボウィルス
- CAV-1:犬アデノウィルス1型(犬伝染性肝炎)
- CAV-2:犬アデノウィルス2型(犬伝染性喉頭気管炎)
この4種のウィルスは危険度の高い病気の病原体で、これらのワクチンは「コアワクチン」と呼ばれます。
今回は6種類のワクチンの抗体価検査を行いましたが、コアワクチンだけ検査し、どれか1つでも抗体価が低かったら混合ワクチンを接種するという選択肢もあるかなと思いました。
ワクチネーションガイドラインには、以下のような記述もありました。
「安全で低コストであるからというだけの理由で単純にワクチンの追加接種を行うより、検査を行って子犬や成犬の抗体状況を確認するほうが、より良い診療と言えるだろう。」
愛犬家が「より良い診療」を選択できるようになるには、検査費用が安く、必要なワクチンだけ追加接種できるような仕組みが必要です。
犬の健康を第一に考えたワクチン改革が必要です。