「カミナリ怖い(1)」の続きです。
ゆずの雷恐怖症を克服するために雷の音に徐々に慣らす方法(系統的脱感作)を試しましたが、録音した雷の音に全く反応を示さなかったためこの方法は使えませんでした。
そこで考えたのが、雷を何かいいこと、楽しいことに結び付けるという方法です。
これは「拮抗条件付け」と言われる方法で、恐怖を感じる刺激(雷)と好子(好きなもの・こと)を結び付け、恐怖心を取り除いていきます。
簡単に思いつく方法はフードを使うことですが、ゆずは普段からフード欲が低く、怖がっている時にはなおさら見向きもしません。
他にゆずが好きなことで家でできることと言えば遊ぶこと。
好子を「遊び」でやってみることにしました。
やったことは雷が鳴っている間、ひたすらハイテンション(ここがポイント)で遊ぶということです。
おもちゃを投げたり、引っ張りっこしたりと、思いつく限りの遊びをします。
あとは音の鳴るおもちゃをいくつか用意し、雷の音が鳴ると同時に両手、両足でおもちゃを鳴らし、雷の音を紛らわします。
最初は私の変なテンションに圧倒されていましたが、雷の恐怖は薄れるのか震えなくなりました。
徐々に遊べるようになり、最近では雷が鳴り始めた時に「さあ、楽しい時間がやってきたよ~」と言うとしっぽを振って見せます。
ゆずの中では「カミナリ=怖い」が「カミナリ=遊び(楽しい?)」になってきているようです。
この方法を行う前は、「大丈夫だよ。怖くないよ。」とゆずを励まし続けていました。
しかし震えは一向に収まりませんでした。
この時、励ましている自分も不安になっていたので、その気持ちはゆずにも伝わっていたのでしょう。
「拮抗条件付け」でワンちゃんの恐怖を取り除くポイントは、まずは飼い主さんが落ち着くこと。ワンちゃんが恐怖に直面している時、飼い主さんも一緒に不安になってしまいます。深呼吸して不安な気持ちを持たないようにします。
次にワンちゃんが恐怖に集中しないよう意識を他に向けさせるようにします。
ゆずのカミナリ克服では「遊び」を使いましたが、それぞれのワンちゃんに適した「好子」があります。
それを探して試してみてください。
何を使ったらいいのか、またやり方がわからない時にはご相談いただければと思います。